アクエリのほほんブログGX

アクエリのほほんブログが進化しました(笑) 超絶不定期更新

いつも、いつでも、

今日は唯一無二の親友の話をします。

 

高校1年の入学式、自分は緊張した面持ちで教室の席についた。

周りには知らない人だらけ。人見知りの自分には友達と呼べる人はできるのだろうか。

しかし、そんな心配はすぐに晴れた。

後ろの席に座っていたサトシ(仮名)。

彼との出会いは自分の高校生活を語る上では欠かせない程の存在となる。

彼はどこか抜けているようでも頭が良く、理系に進みはしたものの国語も得意としていた。テスト勉強はもちろん受験勉強においても大いに助けてもらった。

自分が悩んでいるときにも話を聞いてくれた。

逆もまたそうで、彼が困っているようなら最大限のサポートをした。彼からみた自分も欠かせない存在と思ってくれていたら嬉しい。

 

さて、サトシには彼女がいた。モモコ(仮名)だ。

モモコは高1の三学期頃からサトシを意識し始め、2年でクラスが別れても気持ちは続き3月に付き合い始めた。

モモコの友人でもあった自分は当初彼女のことを応援していた。何かのきっかけになれば、と強引にお茶する機会も作った。

なぜなら、サトシもモモコに気があると勘づいていたからだ。これまで全く恋愛事に触れてこなかったサトシに気持ちに気づいてもらうには時間がかかった。

 

めでたく付き合い始めた二人。

双方の友人である自分は本当に喜ばしかった。

いくつかの衝突はあったものの、高3の受験期を乗り越えて三人とも第一志望に無事合格を果たす。

進路はそれぞれ違い、愛知、岐阜、静岡に別れることとなった。

新たな一歩を踏み出す前に、サトシと自分は3月、モモコは4月が誕生月ということもあり食事にでかけた。

その際に二人からは「日頃の感謝の印」として素敵なプレゼントを貰い、心の底から嬉しく思った。この二人のために頑張って良かったとすら思えた。

 

そして大学生活が始まる。

一人地元に残ったサトシは学校の委員会活動や塾のバイトに忙しくなった。

自分やモモコは慣れない地での一人暮らしと大学生活で心の余裕がなくなった。

次第に「恋人関係」としての二人の距離は遠のいてしまう。

モモコは一緒にいる価値があまり分からないと言い、サトシは忙しくてモモコのことについて考える暇はないと言った。

この状況を良く思わなかった自分はなんとか橋渡しをしようと努力した。

しかし、当人ではない自分にできることは限られ、親身に話を聞くことしかできなかった。

無力さを感じた。

7月、モモコは通話超しにいつまでもどっちつかずではいられないと話した。夏休み中には答えを出せたら、と。ただ、サトシとの仲のもつれで自分との仲ももつれるのは嫌だと言った。

8月、帰省で会った際にモモコはそろそろケリをつけると意思を示した。

8月、サトシは遠距離ってのは心も離れてしまうのかと尋ねてきた。モモコから話を聞いているために否定も肯定もできない。そうかもね、と言葉を濁した。

そして9月、サトシとモモコの1年と半年に及ぶ付き合いは終わった。

 先日まで自分の一人暮らしの家に泊まりに来たサトシはつい昨日?一昨日?付き合いが終わったと深夜に告白した。

分かってはいた。秒読みであったと。意思を固めたモモコはそう簡単には考えを曲げない。

それでも何事もなかったかのように日中振る舞うサトシをみて、微かな希望を捨てきれなかった。

 しばらく言葉が出なかった。布団をはね除け、サトシの肩を強く抱くしかできなかった。彼のために泣いてあげたかった。

らしくないぞ、と気丈にサトシは言った。

 

 モモコの応援とはいえ、最初に手筈を強引に整えた自分は最初から多少なりとも責任を感じていた。

その手前、モモコにもうダメだから別れろなんて簡単に言わないし言えなかった。かといってもう少し頑張ってみたら?などとも言えない。頑張り疲れたから相談してくるのは明白だから。

モモコの葛藤を知っていたからこそ、サトシにも何も言えなかった。心も離れてしまうのか。そう尋ねられたときはドキッとした。話を聞く限り全くその通りだから。それでもモモコの気持ちを自分が言ってしまうのはおかしい。言葉を飲み込んだ。

 

どうしようもなかった、なるべくしてなった、とサトシは言う。

それには賛同する。でもしたくない。

そんな簡単な言葉で、この1年と半年が終わってしまうのか。そう考えるととても胸が痛い。

確かにどうしようもないし、やはり自分にできることは多くなかった。それでもやるせない気持ちでいっぱいなのは、サトシの気持ちは別に冷めていた訳ではないから。

最初に好いた方が冷め、好かれた方は気持ちが残る。

なんというか、皮肉なものだと感じた。

 

何が正しくて何が正しくないのか。

そんなことは全く分からない。

二人の話をずっと聞いていた自分は二人の考えが理解できる。

気づけば自分はサトシとモモコの間で板挟みになっていた。

それ故に、下手したら当人以上に、自分はどうしようもなく悲しい。

同時に何もできない自分自身にどうしようもなく腹が立った。

 

オチがつけられません。

自分のことなんてどうでもいい。

だけど、何がしたいのか分からない。

今はただ、気持ちの整理が必要なのかなと思ったり思わなかったり。